個人判断をベースにした投資方法は、はっきりと言って『アタリ・ハズレ』のバランスが悪くなりがちです。
また相場を的確に分析できたとしても、不安や自分への不信感、あるいは欲が先に立って『売り時・買い時』を逸してしまうケースが非常に多いです。
そして初心者の方は知識やノウハウが不足するため、なかなか成績を上げることも難しいでしょう。
こうした問題点をキレイにクリアしてくれるのがロボアドバイザー型の投資法です。
国内ではウェルスナビ・THEO(テオ)・MSV LIFE・楽ラップの4つに人気が集まっていますが、今回は楽ラップについて詳しくチェックしていきましょう。
楽天運営の楽ラップの特徴と気になるポイント
ロボアドバイザー・楽ラップは楽天証券が提供するサービスで、利用者の投資目的や投資資金、希望する資産運用効率に合わせた投資サポートを行ってくれます。
このサービスは2016年7月から提供されてきたサービスですが、当時はあまり知名度がなかったと言います。そのような資産運用方法を望む人も少なかったのです。
ですが、近年の目覚ましいAI・人工知能の進歩と、ロボアドバイザーによる資産運用の効率的な利回りが確認されるにつれて徐々に利用者数が増えていきました。
現在では、全く投資に興味を持っていなかった方々まで利用する状況になっています。
楽ラップの主なスペック
- 投資対象は投資信託で、現在14種類のファンドをラインナップ
- 資産運用タイプはロボアドバイザーによる投資一任型
- トータルコストは2タイプ:
- 固定報酬制は預かり資産の年利0.702%
- 成功報酬制は固定報酬の年利0.594%(最大)と成功報酬として運用益の5.4%
- 最低投資金額は10万円
使い方も非常に簡単で、投資目的や資金等など、楽ラップの診断に回答するだけです。
これで楽ラップが自動的に銘柄をピックアップして、あなたに合わせたポートフォリオを作成し、自動で適性に運用していきます。
しかもプロの投資家レベルの投資が可能ということで、安心して一任することができるでしょう。
ラップサービスの運営・管理費用
楽ラップを利用する際は、スペック紹介でも触れた通りに手数料がかかります。この手数料は2タイプから選ぶことができ、利用者がそれぞれ自己判断で選ぶことができます。
楽ラップの手数料徴収方法は独特で、ロボアドバイザー型の投資サービスでは唯一、固定報酬型と成功報酬併用型を導入しています。
つまり手数料のために課金しなくても良いシステムです。
固定報酬制:コミコミで年率1%未満を確保
固定報酬型では、口座に入金している証拠金残高に対して、最大年率0.702%までの固定報酬と最大年率0.288%のファンド費用が掛かります。
ですから絶対に年利1%を超えない設定になっています。これはロボアドバイザーの手数料として、格安料金だとされています。
成功報酬併用制:運用益に応じた手数料計算
このタイプは、固定報酬を低くして、その分成功収入益に応じて手数料を払っていくシステムです。利益が小さければ手数料も小さくなり、大きければ手数料もアップするという仕組みです。
固定報酬は証拠金に対して最大年利0.594%まで、そして成功報酬として運用益の5.4%にファンド費用に最大年利0.288%が加算されます。
これでも年利1%は超えませんし、運用益次第で節約もできます。
楽ラップのメリットについて
では楽天楽ラップ利用のメリットについて順番に解説していきたいと思います。
AIによる資産運用
何もかも自動で行ってくれます。
まずポイントになるのがポートフォリオの作成です。個人なら経済の動向やニュースなど様々な角度から分析し、成長しそうな投資対象を選ばなければいけません。
これはプロの投資家でも経済アナリストでも難しい部分です。まして初心者の方は大いに頭を悩ます部分でしょう。
ロボアドバイザーは過去の投資市場や経済状況などのビッグデータを分析し、今後のトレンドを数学的に予測し、成長率の高そうな投資銘柄をピックアップしてポートフォリオを作ってくれます。
作成したポートフォリオを自動運用
エントリー後のケアは全てAIが行います。ですから、途中で利用者の方がポートフォリオを調整する必要がありません。
成長の悪い銘柄やマイナスになってしまった銘柄を適宜入れ替えて、トータルで利益が確定できるように調整してくれます。利用者は只、途中経過を確認するだけで大丈夫です。
最低証拠金が10万円
資産運用のための投資となると、すぐに100万円単位の話になりがちです。でも、それではリスクが大きくて、ちょっと手が出し難いという方もいるでしょう。
楽ラップは10万円からの参加が可能です。
ちょっと試しにやってみようとか、少額でコツコツ資産運用したいという方にピッタリの投資方法です。
下落ショック軽減機能(TVT機能)
マーケットの相場は日々激しく変動していきます。そして急騰相場で勢いよく上昇する局面もあれば、バブル崩壊やリーマンショックのような恐慌相場で大暴落する局面もあるのです。
この暴落局面を回避するのがTVT機能で、あらかじめ設定してある損切り値に価格が達した場合、リアルタイムで損切りをしてポートフォリオの入れ替えを行います。
24時間フルタイムで作動していますので、本当に頼りになる機能です。
長期投資として積立投資が可能
世界経済は長期スパンで見ますと、全てインフレ状態にあるといっても良いでしょう。50年前の株価や物価と現在の価格を比較すれば、何十倍にも上昇している現実が見えてきます。
つまり投資は、長期スパンで行うことで利益を蓄える可能性が高くなります。
楽ラップでは積立投資が利用できます。コツコツと証拠金を積み立てていくことで、結果として複利式に利益が膨らんでいくチャンスが得られます。
特定口座で確定申告が不要
投資利益は全て雑所得として、毎年確定申告をしなければなりません。これは結構面倒な手続きで、良く分からない事もあるでしょう。
特定口座で資産運用すれば、全て証券会社が代行してくれます。楽ラップには特定口座が用意されていますのでとても便利です。
楽天楽ラップのデメリット
つづいて楽ラップのデメリットです。これも他のAIロボ投資同様に人の手がどう加わるかによってデメリットがうまれてしまいます。
手数料が発生するので小額投資には不利
もし個人で投資するならば、口座手数料しか発生しません。それは一回の取引に対して数百円のことですから、長期投資の方にとっては殆ど負担にならないでしょう。
しかしロボアドバイザーを利用すると、口座の証拠金残高に対して1%弱の年間手数料がかかりますから、少額投資の方にはちょっと負担となるかもしれません。
口座利用の規約がいろいろと多い
資産運用の税優遇となるNISAやジュニアNISA口座が利用できません。また、一度一般口座からスタートしたら、途中で特定口座への変更ができません。いったん解約して新規契約を行う必要があります。
ただし解約する時に、口座に現金を戻すまでに10日間というタイムラグが発生して、すぐに現金を手にできない点も要注意です。
結局楽ラップをおすすめできる人は?
AIサポートのロボアドバイザー・楽ラップは、銀行に貯金するよりも高利回りですし、一般的な投資信託商品の中でも利率が高いとされています。
そこで楽ラップがおすすめの方は、自己資産をコツコツと膨らませたいと考えている方々です。
株式やFXのようなハイリスク・ハイリターン投資ではなく、なるべくリスクの小さな方法を望む方には適した手段だと言えます。
特に投資初心者の方には心強い味方になってくれるでしょう。また普段仕事などで忙しい方も、安心して投資が可能です。
AIが的確に資産運用をしますから、相場のことがいつも心配だといったストレスからも解放されるでしょう。もちろんプロの投資家の方にもおすすめです。
リスクヘッジの一手段として、数十パーセントの資産をあてがっておくのも得策です。